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峠みちを歩く

 漱石の小説「坑夫」のなかの主人公が、足尾に入る場面で述べている部分があります。
 「山の中の山を越えて、雲の中の雲を通り抜けて…。」
  当時、足尾に入るには険しい峠道を、自分自身の足で、ワラジやゲタ履きで越えなければならないものでした。今日では舗装された道を、自動車で越すか、または峠下を貫通したトンネルのなかを、難なく通り抜けてしまうだけです。
 その結果、利用されなくなった峠道は、山歩きに関心のない方方には、忘れられつつあります
  峠道、それは
 「山の中の山を越えて、雲の中の雲を通り抜けて…。」 行く道です。
 そこには『幸せ』がありますか・・・。

♦ 山のあなた カール・ブッセ ♦

 山のあなたの空遠く 幸(さいはひ)住むと人のいふ。
 噫(ああ)、われひとゝ尋(と)めゆきて、涙さしぐみかへりきぬ。
 山のあなたになほ遠く 幸(さいはひ)住むと人のいふ。
「海潮音」上田敏

地形図(1:25,000)に記載されている足尾の峠(4箇所)

  •細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠  •粕尾峠

「山と高原地図」に記載されている足尾の峠(7箇所)

 •細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠 •粕尾峠
 •古峰ヶ原峠 •六林班峠 •舟石峠

古地図に記載されている足尾の峠(9箇所)

 •細尾峠 •阿世潟峠 •半月峠 •粕尾峠
•古峯原峠 •○○峠(六林班峠)
 •雨降峠 •太田峠 •笠松峠(大名峠)

古地図
( 古 地 図 )
阿世潟峠からの富士山

 大町桂月が絶讃した阿瀬峠(阿世潟峠)からの霊峰富士(写真:2011/12/12)