冬の日ざし
四季折々に移り変わる栃木県日光市足尾町の自然と生活を描写した歌曲があります。現在は正午を告げるチャイムとしても、地域のみなさんに親しまれています。
- ㈣ 男体颪吹き荒れて 白皚々の備前楯 幌馬車急ぐ暮れの町
- ㈣ なんたいおろしふきあれて はくがいがいのびぜんだて ほろばしゃいそぐくれのまち
○ 足尾の冬といえば氷雪の世界。全面凍結した足尾渓谷の地蔵滝の厳かな迫力に感激し、わたらせ渓谷鐵道イルミネーションの淡い光に心が和みます。
四季折々に移り変わる栃木県日光市足尾町の自然と生活を描写した歌曲があります。現在は正午を告げるチャイムとしても、地域のみなさんに親しまれています。
○ 足尾の冬といえば氷雪の世界。全面凍結した足尾渓谷の地蔵滝の厳かな迫力に感激し、わたらせ渓谷鐵道イルミネーションの淡い光に心が和みます。
足尾を代表する滝といえばこれでしょう。なにしろ日足トンネルを抜けると直ぐ右手に見えますから。
そう云われても何気なく運転していると、気づかずに通り過ぎてしまいますから注意してください。
(左写真:2008/01/04)(右写真:2009/01/18)
冬といえば氷雪。写真は全面凍結した深沢の大滝 "十丈の滝"です。
一の茶屋跡および無人雨量観測所を過ぎてから深沢に下りると滝があります。慎重に滝壷まで下り、滝と対面しました。
凍結した滝の厳かな迫力に感激、水の流れが瞬時に凍結したような静かな時空間のなかで、シャッターを切りました(写真:2008/01/20)。
全面凍結した滝は上下二段になっていて、左の写真は滝の上部をアップで撮影したもので、右写真は、滝の全体を撮影したものです。
♦ 一の茶屋跡(初の茶屋): 日光中宮祠と足尾を結ぶ半月峠越えの道が大正9年に開通しました。その当時営業していた茶屋のひとつが、"一の茶屋"です。
"幽谷の風なきなかに滝氷る" とおる
♫ 深沢の大滝「十丈の滝」 ♬
この滝の所在地は小滝です。滝の存在が地名の由来となったのでしょう。写真は滝の下流に架かる山岳橋からの撮影です。この場所がベストシャッターポイントでしょうか。
この橋は庚申川に架かる橋で、昭和29年12月に竣功しました(写真:2009/01/18)。
曇り空の中、朽ちた製錬所の建物が目に飛び込んできました。背後の山に、うっすらと雪が積もるその光景は、かつて製錬所が盛んに操業していた当時をイメージすると、とても物悲しい気持ちになります(写真:2008/01/04)。
製錬所と石垣山。備前楯山稜線東端に横たわる石垣山 1,106m
上昇気流に乗って、ほとんど羽ばたかずに尾羽で巧みに舵をとりながら輪を描くように上空へ舞い上がったトビ。その黒い姿からは、厳しい冬を越す、生あるものの威厳が感じられました(左写真:2008/01/20)。
それとは対照的に右の写真は、山頂付近のシラカバと青空の色彩の調和が美しい、穏やかな冬山の風景描写です(右写真:2008/01/20)。
松木川、仁田元沢、久蔵沢の三川が合流する水量の豊富な足尾ダムでさえも、冬季は夏季に比べ水量が非常に少なくなります。落水の音も小さく、ひっそりとしたたたずまいを呈しています(左写真:2008/01/04)。
水管橋または水路橋と呼ばれる水道管を載せた橋があります。
一つは仁田元沢(にたもとざわ)に架かる水管橋で、水源は松木川です。工業用水を送る施設として使われており、足尾砂防ダムから見ることができます(写真:2013/01/31)。
写真奥、仁田元沢水管橋。川面に映る山は、横場山 。
愛宕下から対岸の水管橋と氷柱を望む(上写真)
♦無名滝の上にある水管橋
♦愛宕下の対岸に見える水管橋
12月から2月の冬季間、各駅では趣向を凝らした「わたらせ渓谷鐵道各駅イルミネーション」が実施される。写真は左から原向駅、間藤駅、通洞駅の各イルミネーションです。
(写真:2008/01/20)
(通洞駅のイルミネーション)モノクロ写真で表現してみました。
♦通洞駅イルミネーション
♦通洞駅イルミネーション
ポスト(郵便差出箱)のある風景。
♫ わたらせ渓谷鐵道イルミネーション ♬
わたらせ渓谷鐵道718D / 後方の雪山は松木連峰
上間藤から望む大平山
♦ 大平山(松木山)1960m:奥日光と足尾の境界稜線上にそびえる山
真新しい紙垂(しで)と、注連縄(しめなわ)が、目に眩しいお正月の波之利大黒天様です(写真:2008/01/04)。
"勝道上人が難行苦行していたところ中禅寺湖の波の上に大黒天が現れ、上人を励ましたそうです。
その頃、上人のもとに白ネズミが穂をくわえて来たので、上人がネズミの足に緒を結び後を追うと洞穴に入りました。
そこで大黒天と白ネズミの像を祀り修験の場としました。"
と、伝えられています。
その後、上人の弟子達がこの土地へ来て修行をつんだり寺を建てたりしたのが、足尾の起こりと伝えられております。
その大黒天様に、今年も穏やかに過ごせますように祈願いたしましょう。
上右写真は勝道上人が大黒天と白ネズミの像を祀り修験の場としたと伝えられている洞穴で、松木川に架かる大黒橋の袂にあります。
上左写真は"波之利大黒天"で、同様に大黒橋の袂にあります。
晴れ渡った日の午後、鉄管の上に、二組の猿の親子がいました。冬の日差しをたっぷり受けた鉄管が、温かいのでしょう(写真:2016/01/28)。
この水路橋は、渡良瀬橋の上流に架かる橋で、通洞選鉱所へ用水を流します。
銅親水公園駐車場先の、車止めゲートから歩き始めましょう。久蔵川に架かる橋を渡り、前方の尾根を左から回り込むと、松木川の河原が開けてきます。
右手斜面には山腹工事用輸送機スーパーキャリアのレールが、目に飛び込んできます
(右写真:2011/02/04)。
そこから500m程歩くと開けた場所に出ます。枯れススキが僅かに残る雪原が、松木村のあった所です。黒い斜面はカラミ(製錬かす)の山です(左写真:2011/01/21)。
♦黒いカラミの山と松木村跡
松木ジャンダルムが間近に見えるこの辺りが、松木村のなかで最も奥に位置する所なのでしょうか。小高い丘の上には墓石が寄り添って立っています。
(写真:2011/01/21)
♫ 松木渓谷のジャンダルム ♬
足尾には多くのシカが生息していますが、冬の松木村跡を散策すると、より多くのシカを見ることができます。
全身茶色で、尻の毛が白いこの哺乳動物は、私たちにとって、なじみ深い動物ですが、食害が懸念されています。しかし、いろいろな事情や意見は有りますが、シカの走る光景を目の当たりにすると、厳しい冬を無事に越すことを願わずにはいられません(左右写真:2011/01/21)。