1. “ 金龍山 蓮慶寺 ”
今日は金龍山に登ってみました。
一般に足尾の銅山は備前の国の農民、治部(じふ)と 内蔵(くら)が “渋川”をさかのぼり銅の露頭を発見したことが足尾銅山の始まりと伝えられています。
写真中央、渋川橋梁の下を流れる川がその “渋川” で、左岸に建つお寺が金龍山蓮慶寺です。
写真の山は金龍尾根の末端にあたり、ここから渋川左岸に沿って金龍山登山が始まります。
(写真:2022/11/03)
2. 九重の塔
蓮慶寺横の空き地に石造りの九重の塔があります。眼下を覗き見ると “わ鐵” の線路が走っています。空き地の北側の急斜面が金龍山の登山口になります。
(写真:2022/11/03)
3. 庚申塔
登り始めて直ぐ、無数に散らばっている石碑に遭遇しました。長い年月を経て土砂は滑り落ち、庚申塔、二十三夜塔などの石碑は倒れた状態になっています。
それでもそれらの石碑からは、かっての人々の思いや信仰が偲ばれ金龍山参道の面影を肌で感じ取ることができます。
(写真:2022/11/03)
4. 猪に跨がる “神仏像”
標高700mの稜線上にコンクリートブロック造りの祠があり、その中にイノシシに乗る “首かけ石像” がひっそりとたたずんでいます。
このイノシシは、直ぐ隣りを流れる渋川に沿って建っていた神社の狛犬(寛保3年)と同時代に造られたものと、勝手に想像しています。なにしろ狛犬の顔とイノシシの顔が瓜二つなのですから。
(写真:2022/11/03)
☆ 通洞鉱山神社の狛犬 : 当初、簀子橋山神社にあり、通洞鉱山神社造営のときに移されました。この狛犬は寛保3年(1743)に彫られましたが、その歴史を感じさせない現代っ子的な愛敬のある顔の持ち主です。
5. 金龍尾根からの町並み
標高720m付近に立つ送電線鉄塔脇から町並を俯瞰します。中央グランド、その手前は足尾歴史館です。
グランドから歴史館にかけては選鉱砕石の堆積場で、薄い紅茶色のズリ山でした。私が小学生の時にグランドが造られ、野球などをして遊びほうけていました。
(写真:2022/11/03)
6. 金龍山山頂
金龍山は標石のない標高点857mの山で、尾根上の等高線が小さく丸く閉じてない小ピークです。そこから南西と南の方角に尾根が派生しています。
南西に延びる尾根を下ると、チャート(岩石)が露出した断崖になっていて下りられません。南に延びる尾根は登ってきたルートになります。
(写真:2022/11/03)
7. 簀子橋堆積場ビューポイント
奥にそびえる山が備前楯山です。左奥の鞍部が三吉転(ころがし)という名の峠。写真左端の凹地は天狗沢堆積場跡です。堰堤に続く白い道が幾何学的模様なので目にとまります。
さて、ここから先は痩せ尾根なので私は怖くて一歩も進めません。即断即決(と言うよりは計画通り)引き返すことにします。
(写真:2022/11/03)
☆ ロックフィルダム : 岩石や土砂を積み上げて建設する型式のダム。
8. 下る途中の稜線上から “足尾橋”
下る途中、標高750m辺りの稜線上で “足尾橋” を眺めることができました。足尾橋は、私が一歳のときに架設されたもので、なんとなく愛着を感じます (^^)/ 。
構造美のある造りのアーチ橋なので時代を超えて、なお美しい。
(写真:2022/11/03)
9. 蓮慶寺裏の “照紅葉”
蓮慶寺裏、渋川沿いの黄葉です。光が差す日なたで輝く樹木と、対岸の日陰の黒との対比を切りとることができました。谷間の静かな秋を、探り出せたと思います。
(写真:2022/11/03)
10. 蓮慶寺横の高台から “通洞大橋”
高台から紅葉のわずかな隙間を狙って500m程離れた “通洞大橋” を中央に配置してシャッターを切りました。
ふんわりとした雰囲気の前ボケ樹木の奥にある橋に、最終的に目が落ちつけば撮影者の意図に一致。それなら嬉しいです。
(写真:2022/11/03)
11. トロ道沿いの “庭紅葉”
通洞駅から足尾歴史館のトロ道沿いは紅葉で彩られていました。赤色飽和を押さえるために露出をマイナス補正し、レタッチで赤の彩度を下げて仕上げました。
このトロ道沿いの花壇には四季折々の草花があります。
(写真:2022/11/03)
足尾駅⇔宝増寺(波之利大黒天)⇔足尾キリスト教会(文化財)⇔蓮慶寺(大鳥居)⇔渋川橋梁(文化財)⇔通洞駅⇔歴史館の下迄
12. 足尾歴史館駐車場から “わ鐵”
この場所で何回シャッターを切っただろうか。いつも新鮮な気持ちでシャッターを押し、いつも新しい出会いがありました。
そしてこの場所は通洞駅発のディーゼル機関車を待ち受けるには、絶好の場所でもあるのです。
(写真:2022/11/03)
13. 砂畑地区から “選鉱所”
背景の山は有越山、中腹に立つ構造物は 近代化産業遺産認定の “有越鉄索塔(高さ25m)”です。
麓の構造物は近代化産業遺産認定の “通洞選鉱所”。
(写真:2022/11/03)
14. 松原地区から砂畑地区
秋らしい柔らかな日差しが足尾の里に差し込んでいます。静かなスポットライトを浴びているような “砂畑地区” を撮影しました。
(写真:2022/11/03)
15. 新梨子油力発電所跡
2022年5月に訪れた時は解体作業の真っ最中。今日は更地になっていました。隣りにあったレンガ造りの通洞動力所も解体され、空き地になってしまいました。
このようにして足尾銅山の歩みを物語る “近代化産業遺産群” の一つひとつが消えていくのです。
(写真:2022/11/03)
16. 通洞変電所
“通洞変電所” が今日 最後の撮影ポイントになりました。今回はこの被写体に対してシャッターを12回切りました。
夕日に映える山並みと夕日隠れの変電所の対比が足尾の秋を演出しています。今日も一日、多くの出会いがありました。
足尾の町ありがとう
(写真:2022/11/03)